コラム

健康の秘訣は歯にあった!お口とかかわりが深い全身疾患を知って、歯や口のメインテナンスの大切さを知ろう! 歯とお口の豆知識

みなさんは定期的に歯科を受診されていますか?

むし歯や歯周病の管理には3か月毎の受診がおすすめですが、忙しくてなかなか行けないという方も1年に1回は歯科検診をおすすめします。小中学校に通っているお子さんたちも、ちょうどこの時期、歯科検診がありますし、6月にはむし歯予防デー(現在は、歯と口の健康週間と名称変更)もあるので、5月、6月は歯科検診を受ける良い機会かもしれません。

歯や口の状態を定期的にチェック、クリーニングしてもらっている人は、むし歯や歯周病のコントロールができているため、食べ物をしっかり噛むことができます。しっかり噛んで食事をとることは、健康を維持するうえでとても大切です。また、むし歯や歯周病の予防は、実はさまざまな病気の予防効果があります。今回のコラムでは、お口とかかわりの深い全身疾患をいくつか取り上げてみたいと思います。

 

① 脳卒中、狭心症、心筋梗塞

むし歯や歯周病を放置すると、口の中で細菌がどんどん増えていきます。増えた細菌は、傷んだ歯肉から容易に血管に侵入します。血管に侵入した細菌は、血流にのって心臓に流れていきます。心臓に感染(感染性心内膜炎)がおこると、細菌が脳へと運ばれ、細菌性の脳動脈瘤をつくります。脳内の細い血管にできた脳動脈瘤は破裂しやすいため、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)を起こしやすくなります。また、慢性の歯周病は動脈硬化を引き起こす可能性が示唆されており、むし歯や歯周病のコントロールは脳卒中、狭心症、心筋梗塞予防のために重要と考えられています。

 

② 糖尿病

糖尿病は、歯周病とかかわりが深い病気です。糖尿病患者は歯周病になりやすく、放置すれば歯周病、糖尿病はどんどん悪化しますが、歯周病をコントロールしながら糖尿病を治療すれば、糖尿病が改善しやすいことが知られています。これは、歯周病治療すると、歯肉の慢性炎症がなくなってインスリンの働きが良くなり、HbA1cが低下するからと考えられています。糖尿病や糖尿病予備軍の方は、定期的に歯科を受診して、歯周病をきちんとコントロールしましょう。

 

③ 認知症

お口の中の歯の数(残存歯数)が少なくなると、認知症になりやすいことが知られています。噛むことは脳への血流を活性化し、認知症を予防します。いつまでも自分の歯でよく噛めるように、定期的に歯科を受診してむし歯や歯周病のコントロールをしましょう。8020(ハチマルニイマル)は認知症予防にもつながります。

 

④ 関節リウマチ

歯周病があると関節リウマチを発症しやすいことが知られています。これは、歯周病原因菌が出す物質が体内で炎症反応や免疫異常を引き起こすからと考えられています。また、関節リウマチの治療に伴い、免疫力が低下すると歯周病になりやすくなることが知られています。歯周病をコントロールすることは、関節リウマチの予防や治療にとても大切です。